2003年_03

ビジネスの宿としてカターニアの駅の近くにホテルを取りました。



以前に何度か利用した事があるのですが、人に勧められるようなホテルじゃありませんし、何と言ってもボロイ(涙)
私のヤワな腹筋・背筋はとてもあのソフト極まりないベッドにカラダを預けるなどということは出来ない(涙)



という訳で、たんすに入っている毛布を丸めてベッドの下の“腰”が当りそうな部分に入れてしのぎます。
気休めに腹筋なんかもして“自分で快適をつくる”ようにやってみます。
それから“微調整の出来ない”水道の蛇口も慣れればオッケー♪♪なんて
ま、こんなもんでしょう。ひとり仕事で使う分には。

このホテルの支配人はイラン人。なぜかイラン人。ま、いろいろです。
広げているビジネスもいろいろあるとか何とかエラソーに自慢していました。

「 どうだ、日本の市場で売るんなら組まないか?」
「どれだけ買うんだ?」
「いつ買うんだ?」
「安く仕入れて高く売らないとナ!」

聞いても頼んでもいないのにたたみ掛けてきます。

こんな感じの人を

「furbo:フルボ」

と言います。彼はフルボだ!なんて具合に。度が凄いとフルビッシモ!という具合です。結構多いんです、イタリアには。

興味ありませんでした。そういう人。もちろんビジネスですから、奇麗事ばかりいうわけではありませんが、
生産者の情熱が伝わるような、そんな美味しい食材を探しに来たのですから。

あのドライトマトをやっている社長:フィリッポ(ホストの世話になったフィリッポとは別の人)にはそれを感じ、
期待していたのです。故に、たった一枚のFAXでしたが、それを頼ってきたのです。
フィレンツェに催事で出かけていて戻って来れず、指定する代理人に逢ってくれないかという事でしたので
その男とはホテルで会うことにしました。

rappresentante:ラプレゼンタンテと書いてあり、辞書で訳すと代理人。

実はそれが何だかイマイチわかりませんでした。
ホテルの従業員にいろいろ聞いてみると、どうやらいくつかの会社の価格表を持ち歩くブローカーのような者だと。
いろんな会社のいろんな製品を探すなら有意義だとも教えてくれたのです。

というわけで自分が探すシチリアの食材をリストアップして彼に見せました。
自分がシチリアにいた事、住んだ町、この仕事を始める事由などを述べると彼はある島の事を教えてくれました。

Favignana:ファビニャーナという島はマグロで有名なところです。
シチリアの西、塩で有名なTrapani:トラパニから高速艇で1時間。
行ってみないか?との話に一もニも無く

「Si,certo!:行くともさっ!」

と答えました。だって、ドライトマトのフィリッポには逢えないし、他に具体的に何処の誰に逢うと決まってなかったので、
それはもう、わらにもすがる気持ちでしたから。。。



こんな風にして「初めての事ばかり」を繋いでいったのです。

ドライトマトのフィリッポの会社Bulla Agatina di SOLO SOLEのサンプルをもらい、彼のデカイ手を強く握り返して
まず一歩を踏み出しました。

続く。