2004年_08

Filippo FINOCCHIARO:フィリッポ・フィノッキアーロ

という男と初めて会って話すことが出来る。
今回の旅の一大イベントでした。

エトナ山の麓、Paterno':パテルノ村に彼の会社があります。
Solo Sole:ソロ・ソーレ(“太陽だけ”の意)というブランドを展開する彼の会社、
Solo Sole di Russo Santina:ソロ・ソーレ・ディ・ルッソ・サンティーナは
ピアッティの看板商品“シチリア産ドライトマト”の会社なんです!

ピアッティをスタートするにあたって、ホント、ドキドキしながら彼にラブレターのようなFAXを送ったのが始まりでした。
このドライトマトを輸入できるかどうかで、私がシチリアの食材を扱う“心構え”が出来ると考えていたからです。 

もう、嫌になるほどの試食を繰り返してきた中で出会った“本当に良い素材”だからこそ、
個人事業主といえど一歩も引かずにいられたと思っています。
起業してからまだ1年ですが、もう何度もくり返し輸入をし、沢山のお客様にリピートしていただく事が
出来ているありがたい商品です。

「ちょうど、今トマトの天日干しをする時期に入ったから来る?」

なんていう事前情報がありましたから、そりゃあもう喜び勇んで行きましたとも!

前日に宿泊していた友人宅から車で5分という場所に待ち合わせのBarがありました。
ほどなく現れた彼は、

・サングラスの感じがなんだかちょっと強面で
・白いシャツのボタンが3つほど外れてたりなんかして
・プレスリーばりに胸毛がほこらしく
・プレスリーもビックリのシャツの袖の長さ!
・で、エライ早口(泣)
・で、手もデカイ(驚)



ちょっと圧倒されましたが、Barの中で外したサングラスの奥に見えた、

・えらく垂れ下がったような優しい目をして
・Caffe'にどっさり砂糖を入れて
・美味そうに飲んでいる

のを見ると少し安心したりなど(^^;

車に乗ってほどなくすると“現場”に辿り着きました。

「うああぁ~!」



と目前に広がるトマト、トマト、トマト!
既に暑いシチリアの陽の下、天日干しの風景は

・ホコリが立たないように足元にはエトナの火山を利用したジャリが敷かれ
・トマトが入っていたコンテナを足代わりにして作業台を1m程度に設置し
・天日干し工程の違いによって、様々な状態のトマトが見受けられますが
・遠めに見ると、真っ赤っかっかっか!

という感じでした^^!

一連の工程写真も撮って来ましたので、こちらをご覧下さい

これだけでも、来た甲斐があると思えるほどでしたが、今回はこの大切な生産者に自分の思い、
自分の味覚、お客さんの感想などを面と向かって伝えるという重大な任務があったのです。

がっ、

・とっても早口で
・かなり熱弁をふるう

彼なので、例えば

「あのトマトって手で半分にしてるんだね!」

「そうなんだよ!8年程前に一度機械を買ってみたんだけど、結局手にはかなわなかったんだ。
それでなぁ・・○×▲※○@▲△●☆(加速)」

「ちょ、ちょっと話すの早すぎ(^^;、もうちょっとゆっくり頼むよ(^^;」

「そか?それでなぁ、○×だし、▲※○@だから▲☆○して・・・(加速)」

「ちょ、ちょっと(^^;」

「Koji、ゆっくり話すってのは難しいなぁ、俺には」

「わ、わかった、じゃあ次の話題に行くよ。トマトと塩についてだけど・・・(身振・手振&メモ帳スケッチ&回り道のイタリア語)だろ?」

「それはなぁ、○×だし、▲※○@だから▲☆○して・・・(加速)」

「・・・ぅぅ、ワカラン!も一回!」

「だから、塩と太陽の光の両方の殺菌効果が▲☆○して・・・(加速)」

というようなやり取りを繰り返す事になるのです。
こんな機会はめったにないわけで、トマトを目の前にしてああでもない、こうでもない、とやったわけです。

わからなかったら、わかるまでやればいいわけです。
そこから見えるものも多いはず。
会って直接伝えることの大切さを、ひしひしと感じながら今回の旅が本格的に始まったような気がしました。

続く。