2008年_02

このメルマガはまず行きの飛行機で書き始めました。
何といっても12時間以上もあるフライトですから、こんなまとまった時間は仕事のやり時でございます。

ま、思いっきり寝だめするという手もありますが、現地についてからが大変なので、
調整、調整でございます。
エコノミークラスのコンパクトなスペースはやはり12時間の旅にはなかなかに窮屈な感じが否めないですが、
きっとこの先、もしもひとつ上のクラスに乗るためのお金があったらやっぱり商品購入に
まわしてしまうのだろうなとか思ったり・・・

さて、こういうコンパクトなスペースにはやっぱりB5サイズのPCが有効だと実感します。
現地についてからの行動を改めて確認しながら生産者ごとに作ったページを眺めていると
だんだん緊張感が増してきました。

今回も新しい商品、生産者へのステップが2つほどあるのですが、いつもながらにドキドキします。
過去の買付道中記では2003年から3年分はサイトにアップしたのですが実はその後を書いていません、
というか書けませんでした。



生産者のところに行ったはいいけれど、行ったからといってスグに取扱にこぎつけるわけではなく、
でもあきらめきれずにまた次の年も訪れてみるという、そんな事が続いていたのです。
大切にしたい事や複雑な問題を含む事項等、公表するのをためらうような事があると
どうも筆が進まない、そんな事がたくさんありました。

今回、何か一つでも進めばそれをもって初めて露にする事もできるかと期待しつつの緊張感なのです。
ああ、何だか肩がこってきました。
いつもの事なんですが、緊張しすぎて良くあることです。
ワインを少し含んで寝ることとしましょう。

・・・・・・・zzzzzzzzzzzzzz・・・・・・・

かくしてローマに無事辿り着きました。
日本でチェックインするときにすでにローマからカターニアまでの分もチェックインしていたので難なく乗り継ぎが完了。

乗り継ぎ時間が少なかったので急ぎつつも、とりあえずのイタリア入りですからカターニアの友人に電話することに。
これから数日はお世話になるのです。

で、プップップと。・・・・・?????

電話が通じない・・・というよりかかりません。
良く見ると何やら電話にメッセージが表示されていて、SIMカードが何やらかんやら・・・って事で

「あ、そうか、しばらく使っていないから接触不良かしらん?」

という事で幾度かカードの抜き差しなんかしてみるも同じメッセージが。
これはもしや恐れている事態かも?!
幸い、空港には携帯電話会社のブースがいくつかあるので尋ねてみると

「これ、SIMカードの期限切れですね。1年以内に“リカリカ”しました?」

おおぉ、また出てきたリカリカ問題!要するにチャージです。
ご存知の方も多いかと思いますが、イタリアはプリペイド方式なのです。
無くなったら適当な金額を電話会社やTabacchi:タバッキなどでチャージする仕組みです。
最近はかつてのようにカードを購入してスクラッチをけずり、書いてある番号を押したりしながら
早口のリカリカリカリカリカリカリカリとかいう言葉を緊張しながら聞くことも無くできるので、
もっぱらこの方法が便利ですね。

でも私は知りませんでした、というより間違った覚え方をしていたようです。

“イタリアの携帯電話は1年間チャージしないとその番号が期限切れとなる”

という事を

“・・・・・・・・・・1年間使わないと・・・・・・・・・・・・・・・”

という風に覚えてしまっていたのです。
チャージしたのは昨年の春、すでに1年が過ぎてしまっていた事は知っていたので、
途中、イタリアへ行く知人にお願いして“使って”もらっていたのですっかり安心していたというわけです。

「どっひぇ~~!今年は携帯のトラブルでスタートか?!」

幸い、パスポートを見せるだけで新しい番号を入手することが出来たのでちょっと安心。
(数年前は定住者のコード番号 codice fiscale がないと購入できなかったように覚えていますが・・・
ま、何にしてもラッキー?!)

10ユーロを払って新しい番号を入手成功。
ついでに50ユーロ分をチャージしてカード決済。
おおぉ、カード決済はやっぱりCodice PIN:ピン・コード、即ち暗証番号を入れるタイプでした。
先週のメルマガで書いたように、桁数に不安があったのですが、ここではすんなり4桁の暗証番号のみでOK。

これまたひと安心。
携帯でドキドキしてしまったので、ATMでのキャッシュカード使用は見合わせることにしました。
何て小心者かと思いつつ、アクシデントがある時はなるべく余計なことはすまいという事です。

かくして携帯電話の手続きという予想外の行動に時間をとられてしまい、
慌てて国内線の乗り場へ急いだのですが、どうも何だか変。
途中のアリタリアのチェックインカウンターに長い列。
気になって“新しくなった番号”で早速友人にTELすると

「コージ、アリタリアがショーペロ(スト)だ!幸い、夕方終わったようなので君の飛行機は飛ぶようだが遅れるね。」

「な、何?、ショーペロ? 出発前のネットチェックではなかったのに!」

「それが急に決まったんだ。だから大騒ぎだよ。」

という事で、掲示板をチェックしていると何だか欠航便がずらずらと・・・
不安になりつつも辿ってみるとカターニア行きはどうにか飛ぶようでした。
でも2時間遅れ。

結局、ロビーで水飲んで過ごす事に。
10時頃になってようやく飛び立った飛行機がカターニアについたのは11時半。
出迎えに来てくれた友人に遅くなった事を詫びると

「でも良かったじゃないか、今日中に着いて。もう少し時間がずれていたら
ローマで一夜を過ごす事になっていたしね。
これがイタリアさ(笑)っということで、ようこそイタリアへ!」

友人宅はカターニア県のBelpasso:ベルパッソという、エトナ山の麓の村。
天高く穏やかな空、静かな環境がすばらしいところです。
友人家族の暖かい出迎え(皆眠そうでしたが)にすっかり安心しました。
シャワーを浴び、ベッドにもぐりこむと、ベッドサイドのTVでは延々とアリタリアのストの問題が・・・
どうやら大変だったようですが、その中では幸運だったようです。
不幸中の幸い、捩れながらも現場が進んでいくイタリア。

私のイタリア買付道中はイタリアらしいスタートを切ることになったのです。

続く。