2012年_13


マルペンサからカターニアに降り立ちました。
ううむ、シチリアの方が湿度が少ない。
もちろん暑いことには変わりないですがこっちの方が楽です。

いつものように空港に出迎えに来てくれたロベルト君。
今回は彼にまたもやとってもお世話になる事になりました。


「チャオ、ロベルト、シチリア来るよ!今回はクルマで廻ろうと思ってるからレンタカー予約したぞ!」

と連絡すると

「何?コウジ・・・そのレンタカー直ぐにキャンセルしろ!クルマは俺のを使えばいいから」

と彼。

「えええ??、それ外国人の俺が使っていいわけ??保険とか大丈夫なの?」

とビビる私。

「んなこたぁ、心配ない!・・・大丈夫だよ・・・・多分。
 何かあったらすぐ俺に電話しろ。俺が話をつけるから。」

というわけで彼のプジョーを借りる事に。
彼のクルマもやはりディーゼルでした。
ガソリンに比べて燃費の点でメリットのあるディーゼルですが、車内に入ればディーゼル特有の音や振動など
ほとんど感じられないほどで、長距離移動が多いヨーロッパの主流ならではのこなれた感じがあります。
道具としてのクルマって感じが伝わってきます。


さて、まず向かうのはいつものBelpasso:ベルパッソ村。ロベルトの家です。
エトナ山麓にあって”下界”に比べれば随分と涼しく過ごしやすいところです。
何年か前に水が止まってトイレやシャワーが使えなかったという事態に遭遇し、
水の不便なところかと思っていましたが、今はそれも改善した模様ですから尚結構です。

とはいえ、日本のようにいつでも何処でも蛇口をひねれば潤沢で清潔な水を手に入れることが普通の国、
というわけにはいきませんので大切に使わないといけないですが、考えてみれば電気・ガス・水道が
不安無く使える国なんて世界中で殆どないですもんね。

まずはロベルト家の近所の行きつけのBrで、グラニータとブリオッシュ。
シチリアに帰ってきた~と実感できる瞬間です。



さて、到着した日は折しもサッカーのユーロ2000の決勝戦でした。
よもや?のイタリア決勝進出!という事でイタリアの一家庭も大いに盛り上がっていました。
いつも誰か(親戚とか友人)が来てはご飯を食べているような感じのロベルト一家ですが、
その夜も何だかんだで10人を超える人数で大騒ぎ。
キックオフ直前の国歌斉唱で一緒になって歌う彼ら。
おお、イタリアの国歌をイタリア人が歌うのを初めて見ました(感動!)


肝心の試合はご存知の通り。
2点ほど入れられた時点で皆の興味はさっさと失せてしまいTVなど観やしない。
あぁ、この愛国心よ。
何ともイタリアらしい。

 

と、いきなり消灯。
おおぉ、水不足の次は電気か???なんて疑って後悔。
バースデーケーキのサプライズでした!
疑ってごめんよう~ロベルト!

と言うのは、実はこの日は私の46回目・・・位の誕生日だったのです。
ロベルトの弟のダニエレがFacebookを通じてチェックしてくれていたのです。
嬉しいじゃないですか!

お祝いは近所のBronte:ブロンテ村のピスタチオをふんだんに使ったトルタでした。
蝋燭の火をふっと消したら、何かじわっと嬉しさが込み上げました。





思えばこれまでイタリアで誕生日を祝ってもらえるようなシチュエーションは無く、
それ故に、いつも家族ぐるみで受け止めてくれる彼らに祝ってもらえた事に本当に心が熱くなりました。

やっぱりシチリアは良い。
自分の心の拠り所です。

これから一週間かけてシチリアをまわる良いスタートとなりました。

暑さでぐっすり眠ることは出来ませんでしたが、翌朝、お母さんのRosy:ローシーが
とっておきのシチリアな朝をプレゼントしてくれました。

何とグラニータの配達でした。



朝刊はこないけどグラニータは来るのです。
やっぱ、シチリア!


続く。