Caciocavallo ragusano DOP:カチョカヴァッロ・ラグサーノ DOP
Caciocavallo ragusano DOP:カチョカヴァッロ・ラグサーノDOPチーズは、シチリア州の南東、Ragusa:
ラグーサ県とSiracusa:シラクーサ県にまたがる Monti Ibrei:イブレイ山地に生息する牧草を食べて育つ
牛の生乳でつくるチーズです。
熟成の最初の数ヶ月は芳香と甘みがあり、熟成が進むにつれて辛味が増すという複雑さを有しています。
由緒正しく豊かな風味を持つこのチーズ守るため、生産者(31の酪農家、23のチーズ生産者、7の熟成家)による組合が
結成されConsorzio Ragusano DOP:コンソルツィオ・ラグサーノ DOPとして原産地保護呼称の認証を得ています。
Razza bovina modicana:モディカ牛
カチョカヴァッロ・ラグサーノDOPの製造に欠かせないのがRazza bovina modicana:モディカ牛です。
何世紀にも渡ってシチリア島に生息しており、非常に丈夫で過酷なシチリアの夏を乗り切ってきました。
この牛から採れる乳は豊富な脂肪分(約6%)とプロテインを含む高品質さが特徴ですが、今や絶滅危惧種とみなされて
いるほどで、現在世界で約1,500頭しか存在しないとされています。
Azienda Agricola Mezzasalma Daniela
シチリア・ラグーサ地方に根付く伝統的なチーズCaciocavallo ragusano DOP:カチョカヴァッロ・ラグサーノDOP
の希少なチーズを製造する工房を訪ねる機会を得ました。
紹介してくれたのは岡山在住のイタリア人、Lucio SCHENBALI:ルーチョ・スケンバリ氏。
彼の故郷であるラグーサのチーズ職人、Giorgio LICITRA:ジョルジョ・リチートラ氏を訪ね、伝統的なチーズ作りを
目の当たりにする貴重な経験をすることができました。
工房名はMezzasalma Daniela:メッツァサルマ・ダニエーラ社。
Ragusa:ラグーサとはいっても、山岳地のいわゆるラグーサの街からは離れ、海沿いに位置するMarina di Ragusa:
マリーナ・ディ・ラグーサに位置します。
先に述べたモディカ牛、この希少な牛のうち、ジョルジョ氏の工房では約250頭を飼育しており、カチョカヴァッロ
・ラグサーノDOPの生産者の中でもこの牛のみを使用してチーズ作りを行うのは彼の工房を含めてシチリアで3軒のみ
であり、結果として年間生産量は約400個と極めて貴重なチーズとなります。
カチョカヴァッロ・ラグサーノとプローヴォラの違い
Caciocavallo ragusano DOP:カチョカヴァッロ・ラグサーノDOPとProvola:プローヴォラは、途中の製造工程
は同じですが、熟成期間の違いによって風味が変化します。
Caciocavallo ragusano DOP:カチョカヴァッロ・ラグサーノDOP
- 熟成期間は最低6ヶ月以上
- Consorzio(生産者組合)の試験に合格したものだけが焼印を押される
- 熟成により内部に空隙ができ、ほのかな花や草の香りを感じる
- 長期熟成により塩味と甘味が広がり、さらに複雑な風味へと変化
Provola:プローヴォラ
- 熟成は最長で2週間程度
- 塩水に1日漬けた後、そのまま干して乾燥
- 柔らかく食べやすい風味
- 断面に空隙はなく、しっとりとした食感
実際に訪問して感じたこと
熟成が進むことでチーズ内部にできる空隙や、風味の変化は実際に見て、食べてこそ理解できるものでした。
試食させてもらった薄くスライスされたチーズは、花のような香りと甘味が広がり、長い熟成を経たものほど
奥深い味わいへと変化することを実感しました。
最後に、工房で飼われている番犬アキーレが妙に懐いてくれたのも、楽しい思い出のひとつです。
短時間の訪問でしたが、伝統的なチーズ作りの世界を垣間見る貴重な機会となりました。
重量および金額についてのご注意
記載しております価格は、150gあたりの金額となります。
約150gになるようカットしておりますが、多少前後いたしますので、実際の重量に従って再計算しての
ご請求となります。