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イタリア買付道中記 2003

イタリア買付道中記 2003 その7

悪夢のような5月1日:プリモ・マッジョ。私はただ泣いただけだったのか?

いえいえ、ここまで来て「ただじゃあ、帰らないぞ!」と思っていた私はラグーサのホテルで作戦変更!?
していたのです。

Modica:モディカはシチリアで「お菓子の街」として有名なところです。

ラグーサから路線バスで50分ほど揺られながら、一山越えるとモディカに辿り着きます。
小さい街。山の斜面に立ち揃う街並みはどこか落ち着いていました。
着いた瞬間、その雰囲気に魅入られてしまったようです。


実は、このあたりは旧モディカ伯爵領だったところで書物によると
・彼のもと、シチリアの他の場所とは異なり独立した政府や法律があって
・豊富な農作物や家畜などの食物も充実していた比較的裕福な場所だった
ようです。
“平和、親切、整然”等々モディカの街を表現する言葉の数々はこんなところからきているのかもしれません。

その街で一軒、訊ねてみようと思っていたお菓子屋さんがありました。
この美しいバロックの街の目抜き通りCorso umberto 1:コルソ・ウンベルト一世大通りよりほんの少し入ったところに
そのお菓子屋さんはあります。

Antica Dolceria Bonajuto:アンティカ・ドルチェリア・ボナイユート

店内はシックで歴史を感じる調度品。
店にたつ女性は“キリッ”と凛々しく。
ナントモ気後れしそうな雰囲気でしたが、勇気を出して先ずは自己紹介から始めました。そして、 
・Bonajutoの“j”がイタリア語ではない事、
・土地柄、スペインの影響があったであろう事、
・原住民のシカン人、シクリ人の末裔の関係、
等々、私がシチリアで暮らしていた時に学んだ事などを、思いつくまま口にしてみたのです。
もちろん、その中には私の知識が及ばない事や間違っている事もあったと思いますが、何よりこの店に興味を持ち、
敬意を払っている事を伝えたかったのです。

すると“キリッ”とした女性は、丁寧に店の歴史やチョコレートの話を聞かせてくれた上に、どんどんと試食までさせて
くれたのです。

他のお客さんが来ている時は、試食の品を手に店内見学。
お客さんが帰ると話の続き・・・みたいな。。。
しまいには、

「じゃあ、工房見てく?」


なんてことになり、売り場奥の工房まで見せてくれてました。
これほどの歴史のあるPasticceria:パスティチェリアなのに何てフランクなんだろうかと感心してしまいました。

閉店時間近くになり、店を後にする時は先の“キリッ”とした女性と工房の皆が挨拶をしてくれてとても心地良い思いでした。

プリモ・マッジョで相当へこみそうになっていた私。
気を取り直してちょっと足を伸ばしてみたモディカ。
思わず見つけたキラ星のようなシチリアの宝石。
私は一瞬で惹き付けられてしまいました。

「シチリアの薫りがする」

そう感じました。

その時買ったチョコレートは、少しずつ知人の間で試食してもらい、今や私の目の前に、その数を増やして出番を
待っています。


山を越えてホテルのあるラグーサまで戻る途中、ラグーサ・イブラのライトアップされた美しい街並みをバスの車窓から
眺めながら、緊張ばかりのシチリアの旅が何だか少し軽やかな、少し艶やかなそんな風に変わった気がしました。


続く。

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