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イタリア買付道中記 2004

イタリア買付道中記 2004 その9

ドライトマトの生産者、フィリッポ。

彼は何と私と同い年(38歳)でした。
この会社の創始者である親父さんから引き継ぎ、ドライトマトを中心とした事業を展開し、
広め、深く掘り下げる事に力を注いでいるんだと力説しておりました。

たしかに、私のもとには随分と彼から新商品のサンプルが送ってきています。
毎回、コメントをつけて返事するのも結構大変なほどです。
いろいろとその商品の素晴らしさを述べる彼。 

「どうだ、美味いだろう?!」 

確かに美味しいものも沢山有りますが、私はここで彼に根本的なことを
面と向かって話し込む必要があると思っていたのです。 

「私には私の味覚があって、またお客様が選び、リピートして下さっている好みの味覚というものがあるんだ。

例えば君のドライトマトは

・しっとりと肉厚で
・適度な塩加減
・トマトの深い味わいがスグに感じられる

ところが秀でているから良いと思っているし、私のお客様も評価して下さってるんだ。
ちょっとかじってみるといろんな料理に幅広く使えるなぁとスグにイメージできるから
料理する事が楽しめると思っている。そういう、

・シンプルで
・繊細な
・自然の味

を探しているし、そう感じられるものしか自分で紹介する事なんて出来ないよ。」 

というような事を多少言葉の回り道をしながらも一生懸命に伝えました。
頭の中ではさらに、

「シチリアだからといって、一過性のブーム?!に乗ったやり方はその先が無いし、私の本意ではない。
シチリアの豊富な自然の恵みを“外”の人がなぜ興味を持っているか本質を見据えないといけないし、
そこを見落とすと“あっという間に”消費されて終わってしまう。
私はシチリアに心を奪われた者として、そういう事を大事に伝えて行きたいし、
その手段・方法は洗練されるべきだと思っている」 

というような事もグルグル廻りながら述べ続けました。

ややもすると“思いのたけ”だけで頭が一杯になって言葉が出てこなくなりそうでしたが、
とにかく何とかして伝えようと話しつづけました。 
会話ですから、当然、彼のマシンガンのような返事も返ってきますので
話しているだけで“痩せそう”でした。

幸いにも彼は、

「何故この素材(ドライトマト)が良いと言われるかを他の食材の生産者や、
シチリア以外の外の人間といつも話すために外に出ているんだ。
じっと作り続けるのも大切な事だが、こうして話していくことで見えてくるものもあるんだ。
だから君と直接いろいろと話がしたかったんだ。」 

と言っておりました。私はさらに、 

「私が伝えようとしている“私の味覚”を気に入ってくださったお客様が増えてくれば、
君のバリエーションも少しづつ展開する事もできるが、今は未だ時期尚早だ。
それに、お客様からの要望がどんどん出てくればその内容を君に伝えるから。
だから、まず私がどんなものが好きかを知って欲しいんだ。」

と付け加えました。

彼に連れて行ってもらった行きつけのトラットリア。
いろいろと皿の上にのぼった食材を食べながら、私なりにひとつひとつ自分のコメントを述べていきました。
なので、食べ終わるまでエライ時間がかかってしまい、エネルギー補給の意味で食べているはずなのに、
エネルギーを消費していたような感覚でした。

とても真剣な内容を話しているつもりでしたが、

・顔を見て直接話が出来て安心したことや
・同い歳だったり
・冗談好き

のお互いだったので、リラックスしながら時間を共に出来ました。

相変わらず時間感覚はどうにもこうにも、といった調子でしたが、
なんだか私は楽しみながら出来そうだと思い始めていたのです。

続く。

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