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イタリア買付道中記 2012

イタリア買付道中記 2012 その1

初のレンタカー in Italia

シチリアにいた頃は、特にcataniaの旧市街あたりで目にした混雑ぶりとそこでの車の運転の仕方に恐れをなしてしまい、
以来、イタリアに来る事度々あれどなかなかレンタカーを借りようなどという事は避けていました。 

実際、生産者に迎えにきてもらったりする事も多く、それに甘えて逃げ回っていたというか・・・

そんなわけで恥ずかしながら今回初めてレンタカーを借りクルマの運転をする事にしました。

地図を見ながら自由にまわる余裕がないだろうからとカーナビゲーションをあれこれ検討したところ、
Tomtom(トムトム)というシンプルなタイプが1、2万円で買え、案内の言語で日本語も選べるらしいとわかったところで、
有難い事に現地の知人が購入しセッティングまでして頂ける事に。
ホント、ご縁に感謝感謝です。

空港に着き、予め予約しておいたレンタカー会社でささっと鍵を受け取ったところで駐車場へ。
用意されていた車は思いのほか大きく(4駆のステーションワゴン!)都合3人分のスーツケースを
入れる必要があったのでまぁ仕方ないといえばそれまでですが、初心者?!にはちと敷居が高いというか・・・


でまぁ、とりあえずおきまりのようにエンストしたりなんかしてガクンガクンしながらも空港を出発。
偶然うまいこと?!出口を出たところで次は高速道路へ。
車線に合流してビビりまくり、右側の一番遅い車線で兎に角ノロノロ(涙)

同じ道を走っているのに高速道路と自動車専用道路の表示を示す案内がコロコロ変わって心細い事この上ない(涙)

ウインカーをカッチリ出さずにビシバシ抜き去る車を見ていると、最初はどうかなぁと思いましたが、
速い車が遅い車を抜いて行くというスタイルにおいて、決して危険だとかいい加減だとかいう感じも無く、
あれ日本よりこっちの方が自然だなぁと思えるようになってきました。
こちらの方が成熟しているような感じです。

お決まりのように高速の出口を間違えたりしましたが、兎に角Parmaに到着。
高速出口で待ち合わせていた知人に合流し、後をついて市内にあるホテルまでつれていってもらいました。
はぁ、有難い有難い。
信号のない、ロータリー式の交差点なんて何がなんだかさっぱりわからないままに走っていたので、
もう案内がなければその日のうちにつけたかどうか・・・・

でこれまたホテルの駐車場がやっぱり小さく、半泣きで鬼のような切り返しの後ようやく駐車。


荷物をおろしてチェックインした頃にはすでにどっぷり疲れていたのです。

今回の最初の町はParmaです。
旧市街のど真ん中にとった宿はB&Bでしたが主人がとても感じの良い方であれこれ話しているうちに
少し落ち着きを取り戻し、何とか無事に初日を終える事ができました。

続く。

イタリア買付道中記 2012 その2

R&B La Pilota @Parma

最初の宿はパルマ市内にあるR&B La Pilota:ラ・ピロータという所でした。
Bed and Breakfast ではなくRoom and Breakfast の意味です。

パルマの駅から市内ど真ん中に至る途中にある至極便利なロケーションにありますが、
大きな看板があるわけでもなく、ちょっと戸惑うような場所でした。

それもそのはずで、所謂ホテル然とした佇まいはなく、旧市街にある全く普通の館がまさにその場所だったのです。

この“旧市街にある全く普通の館”、実は大変興味深いもので、そうそう中に入れるものではありません。

重厚でいて少々可愛さのあるパルマ旧市街の建物はだいたい薄い黄色や朱色の漆喰壁で塗られており、
道路に面して威風堂々と建っています。
道路に面した入り口は石のアーチでかたどられていますが、大きく厚そうな木の扉が閉まっている事が多いです。

この扉で外の世界と完全に遮断しているかのような、そんな感じを受けるので、
中を覗いてみようとしても少し気がひけてしまうのです。

この宿はまさにその建物そのもので、入り口のベルで名前を告げて鍵をあけてもらうと、
中からその大きく厚い木の扉を開けることができます。

そうすると、入り口の石のアーチの奥に薄暗い光がさしこみ、中庭が見えてきます。
車をゆるりと滑りこませ、停めてみると思ったより大きな中庭です。


屋根の無い、ゆったりと大きく静かな中庭、これがイタリアの各地の旧市街で見られる 
il coltile:コルティーレ と呼ばれる中庭です。

 

外界と完全に隔離するかのような壁面から、このコルティーレを介していくつかの住居へアプローチする事で、
徐々に内界へと繋がっていくようなそんな感じです。

建物内に入ると薄暗い中に階段と古いエレベータがあり、ゆっくり上がると部屋にたどり着く、
そこがこのR&Bです。

良いですね~、何ともイタリアらしさ満開です。
旧市街の立派な館の主がR&Bとして部屋を貸しているのでしょう。
最近はこうしたところがイタリア各地に少しずつ出来ているそうです。

しかも、女主は物腰やわらかく上品で、中はただの部屋だけではなく台所や
応接室のようなスペースまであり、随所に余裕があります。

 

また、普通のB&Bだと朝食は用意してある物を勝手に食べてくれ的な所も多いのですが、
ここは主がきちんと用意してくれました。


何とも優雅なイタリアを実感いたしました。

宿のサイトは以下の通りです。
→ R&B La Pilota http://www.lapilotta.it/

続く。

イタリア買付道中記 2012 その3

San Nicola社訪問

今回の旅の最初の訪問先は Prosciuttificio San Nicola。
PIATTIでも大定番のパルマ産生ハムの生産者、サン・ニコラ社です。

直輸入ではないけれどこれほど直接のやり取りを繰り返している生産者も少ない、
ちょっと変わった関係です。

彼らがわざわざ選んでくれたハム原木の一本一本の異なる味わいをあれこれインプレッションとして書留め、
これを彼らに渡しています。

生産者としてはスライスしたハムの味わいまでは確認できないので、
有益な資料として捉えてくれているようです。


 


今回はそんな味のやり取りも当然行いましたが、少しハムの歴史というか切り方、
スライスの仕方について聞いてみたかったことがありました。

「ハムは手切りかスライサーか?」

私自身はスライサーで薄くシュッとスライスしたものを良しとしていますが、
そもそも諸説あることそのものに漠然とした疑問符が浮かび上がっていたのです。

手切りを良しとする理由の中には、スライサーの回転刃による摩擦熱がハムに悪影響を与えるから
昔ながらの手切りのほうが良いのだ、的な話もあり、ホントにそうなのかなぁと思っていたのです。

そのあたりをそのままぶつけてみると、

「現代ではスライサーで薄くシュッとスライスするのが一番さ。」

と明快な返答。その背景として

「確かに塩漬けの干し肉としての生ハムは大昔からあったし、その頃にスライサーなんて無かった。
だから、骨のついたそのままをナイフで削ぐように切るしかなかったんだ。
でもスライサーが登場し、ハムも厚みのある大型で柔らかな肉質となり、
かつ薄塩が好まれるようになった事でいよいよ薄くスライスするものが美味しいとされるようになったきたんだ。
それだって、ここ数十年の話だよ。」

とさらに。
なるほどと納得。
イタリアを知れば知るほど、ほんの数十年前まであった暗い過去の歴史を感じざるを得ませんが、
故にその後の現代への変貌を見ると、食の文化にも大きな変換点があったのかもしれません。

ただ生きるために保存食を食べていた時代から、美味しい物を楽しむ時代へ少しずつ変わったのかもしれないと。

また、

「スライサーの摩擦熱だって?そんなもん、同じ断面をネチネチ切ってるわけじゃないだろう?

シュッと切ればいいんだよ、シュッと!」

とこれまたあっさり一蹴。
それから、

「どうだ、この薄くスライスしたハムを口に運んだ時の味や香は!口の中で溶けるようだろう!?」



この“口の中で溶ける”:sciogliere in bocca ショリエレ・イン・ボッカというフレーズは
この旅でもこれから時折耳にすることになるいわば、ハムを楽しむ時の賛美の言葉でもあるのだと
後々知ることになりました。

現代イタリアの生きた現場そのものを感じることによって、過去に見聞きした古い情報を
更新していくことの重要性、大切さを深く感じた次第です。

そして、

「コウジ、ハムはなぁ、難しいものなんだ。決して一言では言い表せない。」

工場長のLuca:ルカがそう話すとやはり相当の説得力があります。
さんざんと細かな説明をしてくれた上でのこの言葉に深く頷くよりほかなく、
だからこそ売り手(切り手)に託される部分も相当にあるなと感じます。
元が良くても扱いが下手なら元も子もないですからね。


短い時間でしたがやっぱり来れば来るほど勉強になるものだと改めて深く認識した貴重な訪問でした。


あれこれ話して試食も繰り返し、彼らのメッセージをちょっとした動画に収めることが出来ましたので
どうぞ御覧ください。

それから一路 Modenaへとひた走りました。
昨年冬にブレイクしたパネットーネの生産者を訪問しに参ります。

続く。

イタリア買付道中記 2012 その4

Pasticceria Giamberlano 訪問

Modena:モデナはParma:パルマから高速道路で50Kmも離れていないので15分で着いちゃいます。
・・・んなわけないか。 

でもそんな感じでイタリアでの車移動は平均時速が速く、日本よりざっと30Km/hくらい速い感じです。

Autostrada:アウトストラーダ・・・って名前だけでも日本の高速道路よりカッコいい・・・
なんてちょっと気分盛り上がりすぎですが。

道路工事も結構頻繁にあって、工事範囲を囲むように三角帽子のコーンも並んでますが、
何と目の前を走っていた工事車両が急ハンドルを切って工事範囲に入ったものだから、
コーンをよけきれなくて思いっきりコーンを跳ね飛ばしてしまいました。

で、それが右行って左行って、なんと目の前にバ~~ンと飛び出してきた!
コッチはまだ借りて間もない慣れない車、あんどイタリア運転初心者丸出しだったのでビックリ、
ドッピオ(doppio:2倍の意)!

ガバーーっとブレーキ踏んでバキッとハンドル切って何とかよけたものの、
後続車両がいたらどうしよう、って感じでした。
はぁ~怖かった。。。

ま、そんな感じで軽い洗礼を受けつつ向かったのは Pavullo:パヴッロという小さな村で、
Modena:モデナからずっと山に入った方です。
Pasticceria Cioccolateria del Giamberlano:パスティッチェリア・チョコラテリア・デル・ジャンベルラーノ

(以下ジャンベルラーノ)というお菓子屋さんを訪ねました。

本当に小さなお店ですが、店主:Valter TAGLIAZUCCHI:ヴァルテル・タリアヅッキが
黙々と働く工房然とした感じは良好です。

 

昨年冬にいきなりブレイクしてあっという間に完売してしまったPanettone:パネットーネの作り手であると同時に、

デコレートしたチョコやケーキの作り手として度々賞される腕の良い職人です。


今年は昨年の3倍はオーダーしないといけないなぁなんて思いつつその前にきちんと訪ねて挨拶しよう、
とたったそれだけの事ですが、私の旅などはほとんどその為だけにあるようなものです。

彼のパネットーネについては完全に惚れ込んでいるので、私からどうしてくれとかいった話は特にせず、
状態良く送ってもらうためになるべく彼に無理をさせないようにオーダーしようと思う程度でしたので、
ひたすら試食にふけっただけでした。
さほど緊張感を伴った話をしない、終始和やかなムードもたまには良いかななんて。

 

今回は妻と共に訪ねて廻ったのですが、それも大切な事です。
やっぱり相手側の対応が違いますし、視点が異なる者が同じものを見る事の重要性も改めて感じました。

夕刻になってきたので、後ろ髪をひかれるところでしたが彼の店を後にしてModenaへ戻り、
バルサミコ酢の生産者、Acetaia San Donnino:アチェタイア・サン・ドンニーノへ挨拶に向かいました。

続く。

イタリア買付道中記 2012 その5

アチェタイア・サン・ドンニーノ 訪問

Modena:モデナのAcetaia San Donnino:アチェタイア・サン・ドンニーノ についたのは午後8時を回った頃でしょうか。
とはいえ、この時期のイタリアはまだまだ明るく夕方みたいなものです。
今日はこれで3軒目の訪問となり、ちょっと欲張りすぎですね。

ここではただ単に挨拶をするために訪ねただけなのでリラックスモードでもありました。

自分で車を運転してきたのは初めてですが道もなんとなく覚えているものでほどなく到着。
入口の門でベルを鳴らすと鉄の門扉が自動でゆっくりと厳かに開きます。
建物に辿り着くまで数百メートルはあるでしょう。
真っ直ぐに伸びた砂利道の両端には高くそそり立った木々が並び、自ずとゆっくりとかみしめるように
車を滑らせていく、そんな気持ちになるような これがホントのアプロ―チ、って感じでしょう。


コンパクトながらも19世紀の建築様式で建てられた屋敷は何度訪れても 圧倒的な美に包まれています。


ホント、カメラ持って行ってもどこを撮っていいのかわからなくなるほど。 
巨匠ベルトリッチ監督の映画、Novecento:1900年 のシーンにそのまま使われているほどなのです。
その模様が一部 youtubeにアップされているので、ホームページのバルサミコのページにサイトを
リンクしておりますので御覧ください 。 

ですが、先日このあたりを襲った地震の影響が気になっていたので今回の訪問は 
「大丈夫でしたか?さぞや怖い思いをされたと思います。」
といった言葉をなげかけようという意味合いも含まれていました。

震源よりたった30Kmほどしか離れていなかったそうで、たいそうな揺れを感じたものの
屋敷やバルサミコの樽などに被害はなかったとのこと。
とはいえ、パルミジャーノの生産者などに被害が出たことはメディアで大きく取り上げられ、
写真をご覧になった方も多いと思います。

カトリックの国ですから、直ぐにボランティアの方々もかけつけたと思いますが、同じく寄付の呼びかけもあったそうです。
でもそれが色々な団体からだそうで、その辺の曖昧さに疑問符がつくというのも現実だそうです。

なのでやはり私としてはモデナのバルサミコ酢やパルミジャーノといった優れた食材を
もっと広く知ってもらう事で彼らへのオーダが少しでも増え かつ継続していくようにコツコツやる方を選びたいと思います。


そうそう、新しい商品として、好評のNERONE:ネローネ(3,4年熟成)よりもう少し熟成の進んだ9年のタイプを
手吹きのガラスで作った瓶に入れたタイプを少しサンプルとして持ち帰ることにしました。
秋のイタリア展でお披露目できたらと思っています。


すっかり陽も落ちて暗くなってきたのでパルマに戻ることにしました。
イタリアの第一日目は随分とタフな一日になりましたが、やはり会って良かったと思っています。

続く。

イタリア買付道中記 2012 その6

カッラ・ディ・カザティコ 訪問

朝からLanghirano:ランギラーノに向かいました。
ランギラーノといえばParma:パルマ郊外の小さな村ながら、Prosciutto di Parma:パルマ産生ハムの産地として有名です。
が、そこには良質なワインを造るワイナリーもあるのです。

Carra di Casatico :カッラ・ディ・カザティコ

エミリア・ロマーニャ州、パルマの丘に寄り添って連なるカザティコの地に、
Fabio CARRA:ファビオ・カッラが葡萄畑を開き、現在は息子のBonfiglio:ボンフィリオと共に
農薬や化学肥料に頼らない葡萄本来の力を引き出すワイン作りを行っています。


収穫した葡萄を貯蔵するタンクには窒素を充填させることにより、葡萄及びその果汁が酸化する事を防いでいます。
そのため、化学薬品を使用する必要がありません。
若いワイナリーでありながら、最新の醸造技術を活かしたワイン造りは イタリアの国内外で高く評価され、
時の首相からも愛飲されています。
私は今のところワインの輸入は行っておりませんが、やはりこの造り手、特に息子のボンフィリオとは
もう何年も前から面識があり、個人的に大好きですし、パルミジャーノやパルマ産生ハムをご紹介する時は
自信を持ってお勧めするワインとして販売を行っているという関係にあります。


ワインの事を語ると非常に真面目に熱く語るのは当然ですが、その雰囲気からスノッブではないかと思われるふしもあるようです。
が、喋るとそんな感じはなくsimpatico:シンパティコ(感じのよい)人間です。
また、意外?!にも日本の食(刺身とか)や電化製品が大好きで、日本に来るとsuica:スイカやpasmo:パスモといった
ICカードを使いこなし、家電量販店ではポイントカードも見事に使いこなすといったオタクな一面ものぞかせるところが
これまたsimpatico:シンパティコ。

でも実は今まで彼のワイナリーを訪ねた事はなかったので今回が初めての訪問となりました。

いやはや、パルマの丘、なるほどね、と思わせる丘陵地にあるワイナリーは陽当りも良く、
穏やかな良い風がそよそよと流れる素晴らしい場所です。


一つ一つの畑を丁寧に説明してもらい、建屋の中ではタンクやラインをたっぷり見せてもらいました。

で、お昼時。
ワイナリー併設のレストランで軽く食べようと言う事になったのですが 
・これぞホントの生ハムメロン!
・フレッシュ・ポルチーニを使ったタリアテッレ
の美味しい事美味しい事!

 

で、それに合わせるのが彼の微発泡ロゼ。
それがまたバッチリな組み合わせなので、軽くどころかもう存分に満足してしまいました。

Torcularia Rosa:トルクラリア・ローザ というワインがそれで、
原材料は、バルベーラ種、ボナルダ種。微発泡のロゼタイプです。

果汁を搾る際も酸化防止剤を極力使わないために、タンク内で窒素を満たして40%分のみソフトプレスしています。
すっきりと上品な口当たり、ほんのりとした甘味が見事にバランスし、1ランク上を感じさせるエレガントさが評価され、
大統領の晩餐会でも使用されているほどで、その時の写真もバッチリ飾ってありました。

もっとゆっくりしたかったけれど何かと予定の多い今回の旅でしたので 後ろ髪ひかれながらにその場を後にしました。 

続く。

イタリア買付道中記 2012 その7

ブッセート

Busseto:ブッセートという村があります。

パルマから北西に20Kmほど行った所にある、それはそれは小さな村です。
にも関わらず、とても有名。
オペラの作曲家、Giuseppe Verdi:ジュセッペ・ヴェルディが幼い頃に 過ごしたところで、
大変ゆかりのある所であり、村の真ん中にはその村の規模からすれば不釣り合いなほど大きな広場があり、
そこにこれまた堂々とした Teatro Giuseppe Verdi:テアトロ・ジュゼッペ・ヴェルディ があります。


ま、ヴェルディという人間と、ブッセートという村には複雑な関係があり、
必ずしも友好的で相互を讃えあうような関係でもなかったようだというのは、
ヴェルディ劇場を案内してもらえばすぐに感じ取れる微妙な空気の流れから 容易に想像がつく、
そんな感じです。

 

 

先の滞在先であったパルマの丘陵地で楽しんだ高原の清々しさはここには 無く、
焼け付くような強い日差しと高い気温、そして意外にも高い湿度の せいで、
劇場を訪ねた時にはすでに逃げ帰りたくなるような状況でした。

でもここで訪ねたかったのは劇場というよりは一つのお店なのでした。

Salsamenteria Storica Baratta :サルサメンテリア・ストリカ・バラッタ

ここではEmilia Romagna:エミリア・ロマーニャ州の美味が楽しめます。
パルマの生ハムやパルミジャーノは勿論、コッパ・ピアチェンティーニ、 クラテッロ・ディ・ズィベッロなどなど、
まさに垂涎ものです。
注文すると大きなお皿にワックスペーパーのような紙を敷き、その上に バッサバッサと乗ってくる
ハム・サラミといったら豪快です。
ワインも当然のように微発泡の赤ワイン、ランブルスコがスープカップのような分厚い白い陶器にガバッと入って豪快です。

 

ヴェルディゆかりの町として有名な所ですが、同時にこの店がまた別の意味で求心力を持っているといっても良い位です。
季節が季節ならそれは満足したに違いありません。

何故そういうのか? ・・・
だって暑かったんだもん。

店内は当然ながらエアコンは無いですし、そもそもこんな暑い日中に 食べにくるお客さんなんて普通いません。
拭っても拭っても止まらない汗と格闘しながら、きっとしかるべき タイミングで食べれば美味しいはずだと
頭に言い聞かせながら、半ば朦朧とした感じでぬるい感じのハムを食べたのでした。(涙)


良い店に違いないですし、店の人の感じも良かったです。
だからここでの味の記憶は次回へのリベンジとしておきます。

少し陽が傾いてきたので宿に向かいました。
宿はクラテッロで有名なZibello:ズィベッロにあります。
ここも小さな村ですが知る人ぞ知る、これまら有名なところです。 

続く。

イタリア買付道中記 2012 その8

トラベルセトレーゼ社 訪問

今回はZibello:ズィベッロの事を書く予定でしたが、ちょっと予定を変更して、
もう一つの生産者を訪ねた話を書こうと思います。

場所はParma:パルマの街中より15Kmほど南におりた所、そこにTraversetolo:トラベルセトロという村があります。
その名も La Traversetolese:ラ・トラベルセトレーゼという村の名前をそのまま名前にしたような生産者です。
パルミジャーノ・レッジャーノ・チーズの作り手として1982年に創業した生産者で比較的若い会社ではありますが、
基本的な素材や製造工程を見直すなど柔軟な姿勢を持っています。


いつもお世話になっている北村光世先生から、この生産者がおもしろいものを作っているとしてご案内いただいた事がありました。
それがパルミジャーノ・レッジャーノを名乗らない Gran Speciale:グランスペチアーレというスペシャル・ヴァージョンです。
試食もしていて、味わいのしっかりした美味しさも確認していましたが、興味深いのはそのスペックという事で
今回の旅程にしっかり埋め込んでいきました。

工場で出迎えてくれたのは Antonio Martini:アントニオ・マルティーニ社長です。
事前のメールやり取りも頻繁に行っていたので挨拶もそこそこに工房内を案内、説明してくれました。

・・・にしても、あなた、ちょっと早口すぎません??

ってくらいに早口。
まぁ彼のほうも 「パルミジャーノの一般的な製造工程くらいはお前、知ってんだろ?」的な感じです。
でも核心に触れる部分はやはり丁寧に、しかも情熱的に話してくれました。


このヴァージョンは2009年から新しいチーズ作りに取り掛かり始めたそうです。
製造工程は一般的なパルミジャーノ・レッジャーノと全く同じ。
出来栄えも側面の Parmigiano Reggiano という凸凹の点字状の文字でなく、
La Traversetolese(生産者名)やGran Speciale:グラン・スペチアーレといった文字に変わった以外は
何ら変わりの無いように見えます。

が、牛にどんなものを食べさせるか、そしてどんな栄養価の高いお乳が得られるか、
それが良いチーズをつくる秘訣なんだ、と言わんばかりに熱く熱く語ってくれました。

 

このお乳で作ったスペシャル・ヴァージョンが“グラン・スペチアーレ” ですが、今のところ正式な輸入はされていません。
ですが、1ホールだけ試験的に輸入したものがあり、つい先日の23日、日本酒の八海山酒造さん事務所にて
“イタリアと日本の発酵食の夕べ”と題したイベントで北村先生のパートがあり、そこでこのホールをカットしてまいりました。

普段PIATTIで取り扱っているミッレジマートと同じく24ヶ月熟成、このホールは1月のもので、
ミッレジマートと比べると随分と熟成感のある味わいで、これまた美味! 
輸入してみたいと思わせる悩ましさ満点ですが、今しばらくは時間がかかると思われます。

質の良い、とされる作り手達のパルミジャーノにもやはり個性がしっかりとあるものです。
彼らが日々の努力をして往来の規格を超えていこうとする動きを常に肌身に感じる事の大切さを思い知った訪問になりました。 


続く。

イタリア買付道中記 2012 その9

ズィベッロ

Zibello:ズィベッロ という村はParma:パルマから北上する事約20Kmで、先に訪ねたBusseto:ブッセートとは至近です。

でもここは Fiume del Po:ポー川のほとりです。

この暑い夏場でもさらに堪える湿度の高さが特徴的。
蚊も多く、不快指数はなかなか大したものです。
が、この湿気ゆえに世界にその名を轟かせる Culatello di Zibello: クラテッロ・ディ・ズィベッロが
出来るところとして有名なのです。

ま、思うにこの村を含むParma:パルマ近郊はProsciutto di Parma:パルマ産生ハムの生産地ですが、
何といっても生ハムはPro-sciuttoプロ・シュット(乾いた、という意味のasciuttoより派生)って言う程ですから
乾かないといけません。

なのにここではそれは厳しいです、上手く乾きません。
この地域ならではの自然環境だからこそ、なのか更なる美味の追求故 なのかはわかりませんが、
独特の製品だと思います。

culatello:クラテッロという名前にはその生い立ちも含まれていて 、
culo:クーロという言葉、即ち「お尻」という意味から、豚もも肉の尻部分のみを取り出し、
塩やワインなどをした後、膀胱の皮で包んで縛って干したもの、となります。

当然、ポー川の湿度を含んだ風によりカビが生えるのですが、それが上手く働いてこそのあの味になるそうです。
なので、クラテッロは部位や製法が同じであればこの村でなくとも出来るのですが、
ジベッロ村ならではの微妙な塩梅というのが存在するのでしょう。
というわけで、Culatello di Zibello:クラテッロ・ディ・ズィベッロは立派なD.O.P製品なのです。

さて、文字で書くとクラテッロ、なのですが日本語の感じでそのまま発音してみてもイマイチ伝わりません。
なので、発音するときは“クゥーラテッロ”ぐらいが良い感じです。

ともあれ、クラテッロの作り手として有名なのはMassimo SPIAGROLI:マッシモ・スピガローリさんで、
数年前に訪ねた事もあるし、彼の作品とも呼べるクラテッロを何本かスライスした事もありましたので、
今回はまた異なる造り手によるものを試してみたいなぁと思っていました。

ふらりと訪ねたのが、La Boutique delle carni e salumi: ラ・ボッテーガ・デッレ・カルニ・エ・サルーミ という店。
小さな村の数少ない広場に面した歴史的な建物、Palazzo Pallavicino: パラッツォ・パッラヴィチーノに溶け込むかの如く、
見るからに良質な専門店のオーラがバンバン出てくる面構えです。
イタリアならではの、控え目に差し込む自然光、ひんやりと乾いた静けさをひしと感じるような店内の雰囲気で、
目が慣れてくるとずらりと並んだクラテッロの数に圧倒されます。

 

店主のGiuglio:ジュリオ氏にあれこれ尋ねるうち、
「ちょっと小さいけどCantina:カンティーナを見る??」 
っとフレンドリー。

同じ建物の下に小さくこしらえたかのような熟成庫ですが、庫内の少し湿った空気と穏やかに満ち満ちたクラテッロの香りは
何とも素敵でちょっとたまりません。


売り手であり、造り手である事は大きな説得力を持って、私の心をぐいぐいと引き込んでくれました。
そして「何も熟成が進んだものが良いとは限らないんだ・・・」というあたりから話にさらに熱が入ってきました。
自分でスライスして売っているからこそ言える言葉だと思います。

私自身、熟成期間そのものの数値はひとつの目安にはなりますが、それが決定的な意味合いを持つとは
必ずしも思っていなかったので激しく同意し「・・・ですよねぇ!!」っとは言わないまでも、
そんな感じでさらに身を乗り出したのでした。

今のところ、PIATTIではハム類の直輸入には乗り出していませんが、将来直輸入する事が出来るのであれば、
こんな人から買いたいものだと強く思いました。
実際、クラテッロは大変高価(パルマの生ハムの4倍程度)ですが、同時に個体差も結構ある事を知っているので、
買うにあたってはそうしたセレクトがなされているものがとても重要だと思うからです。

というわけで、一本買ってみよう、そして彼の思う程度の良いものを買う事にしよう、という事でお願いしたのです。

クラテッロは実際にスライスするまで少し手間がかかります。
縛った紐をほどき、カビがついた膀胱の皮をはぎ、白ワインをふくませた布で覆って綺麗に洗い、
一昼夜ほどの時間を経て少し表面がしっとりしたのを確認してようやく準備OKとなるので時間もそれなり。
なので現地でもすぐにスライスできるように、その工程を事前に終えた後に真空パックにしておいたものが並んでいます。
でも美味しいのはやっぱり直前にその工程を経たものなので、原木そのものを一本買うことにしました。

その旨を告げると彼は、l'osso di cavallo:ロッソ・ディ・カヴァッロという馬の骨を細く尖らせて出来た
まるでかんざしのようなものを肉に突き刺しては香りを私にかがせてくれました。
この骨はその材質と細さゆえに、着いた香りが一瞬で消えていきます。
刺した後は指で押さえれば元に戻るので、この性質を利用してハムの香りを確認するのに使われています。

「どうだろう?これなら良いと思うのだが・・・」という具合で選んでくれました。


なるほど、一本一本確かに香りが異なります。
こういう買い物はたまらなく楽しいものです。
後日、その原木をスライスしてみたら、それはそれは素晴らしい出来で大変満足のいく逸品でした。

クラテッロは確かに高価です。
パルマ産生ハムの4倍!っていうのはそうおいそれと口にできないかのような敷居の高さです。
が、薄いスライスを1枚口に含んだだけで感じられる幸せな香りは十分な満足感があるので1/3程度の量で済むと思います。
PIATTIでも取り扱ってみたいと思うようになりました。

良いものはイイ、歩けば探せばまだまだ出てくるものだ、そんな満足感 いっぱいのZibello滞在でした。



続く。

イタリア買付道中記 2012 その10

サンダニエーレ 訪問

今回の旅の一つの目的として、「サン・ダニエーレに行く。」という大きな柱がありました。

ありがたい事に、日本を出発する前にイタリア貿易振興会の方のお口添えで、
Consorzio Prosciutto di San Daniele:サンダニエーレハム協会の事前コンタクトを得て、
その案内で Prosciuttificio Principe:プリンチペ社(ピアッティで取り扱っているサン・ダニエーレ産生ハムの生産者)を
訪ねる事になったのです。

なんか、イタリア行きのいつものドタバタからすれば恐ろしくスムーズで、
ちょっと拍子抜けしそうなくらいに思っていました。

でもそこはイタリア。
やっぱり来ました、不都合の嵐!

朝からみっちり工場を見学、ハムの歴史や食べ方等々を試食を交えて・・・
などという当初の予定はどこかへ吹っ飛び、旅の途中だというのにあれこれ変更を余儀なくされ、
結局、何とか工場の操業終了後にとりあえず見せてもらうようにだけはなりました。

「あぁ、折角のサンダニエーレがぁぁぁ・・・・」

っと涙目になりそうでしたが、そこから救いがあるのがこれまたイタリア。

説明にあたってくれたのは工場長にあたる方でした。

折しも当日はサッカーのユーロ2000の準決勝・・・だったかな。
勢いづくイタリアの大事な試合だっただけに、案じている旨伝えたところ

「大丈夫、私、サッカー好きではないから問題なし!」っと即答。

うれしいじゃあないですか!
現場の人らしく、キチンとその場を治めていく姿勢が素敵です。

既にパルマのハム工場で何度も製造工程を見てはいるので、今回はその勘を頼りにパルマとの違いに注目してみました。

腿肉の元となる豚、その生育場所、使う塩の種類もほぼ同じといえるほど類似していますが、
見事なまでに味・香りが異なるのはやはり製造工程に何かしらの違いがあるのかも・・・などと思っていたのですが、
耳にし目にする要所要所もほとんど変わらない。

要となる salatura:サラトゥーラと呼ばれる、腿の切断部、つまり足の付け根に塩をする工程もポイントは同じです。

しかも大型の腿肉にできるだけ少量の塩、という最近の潮流も同じです。



また、どちらも現代の気候においては、乾燥工程を全て自然の風だけとする事は難しいようで、
エアコンディショニングの必要性を説いています。

いやぁ、ますますわからなくなった、というのが正直なところです。
ただ、書面ではなく、それが一つの事例だとしても実際に目にする事が出来たのは大きな成果とはいえますが・・・

それにしても、塩ひとつでこれほど美味しく、しかもヴァリエーションまで豊かに表現できるなんて、
本当に大したものだと改めて思います。

一通り見学を終えて会議室様の部屋に入ると、スグにスライスしたハムが皿に美しく並べられて出てきました。

そのまま、あるいはグリッシーニに巻いて味を見ながら、続く話に耳を傾けていましたが、
その中でもスライスの仕方についての話になり、やはり

「そりゃあ、“スライサーでしゅっと薄くスライス”したものを口に運んで、
“sciogliere in bocca:口の中で溶ける”のを楽しむのが最高だ」

と強く言い切るあたりは、パルマで聞いたそれと全く同じであり、これがまさに現代イタリアでの
生ハムの潮流なんだろうと思いました。



最後に、いろいろな食べ方の載った本やサン・ダニエーレの歴史を記した本なども頂く事ができ、
何だかんだでそこそこに落ち着いた結果となりました。

この先、サン・ダニエーレにはきっとまた来る事があるだろうと思いつつ、工場を後にしました。


サン・ダニエーレの地を訪ねたのがこれだけだったら結構寂しい気もするところですが、
今回はこれにさらにオプションがついてきたのです。

日本にいる間に、知人に今回の工程を話したところ、サン・ダニエーレのあるFriuli Venezia Giuliaの州都である
Udine:ウーディネ出身のイタリア人を知っているとの事で紹介してもらいました。

実際に会ってみるととても感じの良い人で話しも弾み、実際にサン・ダニエーレを訪ねる日程など知らせると、

「おー、だったら私もその頃に里帰りしているので現地で会いましょう。でご飯食べたり、
そうそう、Saurys:サウリスって村で美味しい生ハム作っているからそこにも行こう!」

なんて嬉しい事言ってくれるじゃないですか!

Saurys:サウリスには燻製の美味しい生ハムがある、とは昔本で見たことがあり、
うっすら記憶にあったのですが、今のこの時期にそれを目にする事が出来るなんてとてもありがたい事。

どこでどんな出会いがあって物事が進むかわからない、そんな醍醐味を感じつつの今回の旅です。

というわけで、その翌日、Saurisに向かいました。

続く。

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